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2007/8/14、すべてはこの大宮ドルーチェの勉強会からはじまりました。実はこの写真、オーナー浅野菊郎さんと、はじめまして!と言い合った初対面の瞬間なのだ。勉強会が始まる前の1コマまのだ。出会いは面白いものである。
8/14、通常bhのオフィスで行っている美容室開業ノウハウレクチャーと同じ資料を使って、ほぼ同じレクチャーをした。違うのは受講者さん個別の質問にお答えする時間が無いことだけ。
8/14、皆様、とても真剣に集中して受講してくれました。こちらからの見え方ですが、すべての美容師さん、レクチャー中の眼差しは、すごく真剣ですよ。吸収力100%ってところでしょうか?
8/29、さて勉強会の2週間後、早くも浅野さんは、事業計画の診断の依頼をくれて初めてbhのオフィスに来た。そこで深い診断やアドバイスをした。この時を境に浅野さんはとてつもないスピードで開業まで走り抜けることとなる。2006年の段階からずっと開業について悩んでいたそうだが、飯島と会うことにより足踏みしていた計画は一気にターボがかかってというのだ。(浅野さん本人談) この日の段階で、浅野さんは声を大にしてプロデュースの依頼をしてきた。この日診断が始まって話を聞いていけば、浅野さんは漠然と出店地を銀座、中央区、港区狙いで!なんて言っていたのだ。本当に、ただただ、漠然とであった。
浅野さんの場合、本当に長い間(21年)勤め上げてきたサロンの影響からか、どうして激戦地域であるメジャーな場での開業しか想像が付かなかったらしいのだ。診断時に痛切に感じたことは、まずコンセプトの明確化が急務であると判断した。計画地をまずは特定する為にもコンセプトを通常よりも一足先に詰めること。モチベーションも技術も経験もすべて申し分ない。だが、経験が豊富であったりベテランゆえに、浅野さん自身が本当の自分の持ち味や自分が進むべき道など、美容室開業を通して何を世の中に提供したいのか?(目的)という肝心な部分などが、自分自身で整理が出来ていない状態だったのだ。(当然誰にでもきちんとあるはずだが、当たり前すぎて容易に言葉に出来ないものなのだ)
そんな状況では当然浅野さん自身が“何をすべき?”も“どこでやる?”も絞り込めないわけであり、物件探しなど出来るはずが無いのである。そこで、急遽、次週から本格的にプロデュースが始まることととなったのである。
9/4、早速コンセプトワークを展開したが、聞けば聞くほど、当初目指していた銀座をはじめとする都心での開業が向かないことがはっきりしてきた。コアターゲットを定め、様々な空想を繰り広げながらイメージしてゆくbhのコンセプトワークは、かなりエキサイティングで楽しいのだ。プロデュース全般を通して、オーナーさんが最も幸せそうに見える日がこのコンセプトワークなのである。色々な角度からフリースタイルで沢山の質問し、オーナーさんの本質、特性、気質、趣味、志向などを感じ取っていく作業。そして感じ取った要素を誰にでもわかるような言葉に言語化してゆくのだ。この業務を簡単に説明できないが、とにかくすべてのオーナーさん、驚きと喜びと興奮と・・・を得て、足取りも軽く帰ってゆく日である。まさにbhのプロデュースで一番熱い打合せの日=コンセプトワーク。(対:寒い打合せの日=減額調整)
最も来てほしい客層であるコアターゲットや、浅野さん自身の持ち味、魅力、伝えてゆきたいこと、広めたいこと、得意技、好きなもの、嫌いなもの、趣味etc・・・を聞き取っているうちに・・・
本当に出店すべき場所が見えてきた。誤解が無いように説明するが、これはbhが提案したのではない。コンセプトワークを通して浅野さんが思いっきり気づいて浮上してきたものなのだ。「銀座なんかに出したってダメですわ!やばかった!bhにこなかったら絶対に銀座に出していたかも」なんて言うのだ。ちょっと極端でせっかちな浅野さんだが、狙うポイントが見えたらとにかくまっしぐら!めちゃくちゃ早い行動を見せるから怖い。行動力と、せっかちさ、かなり紙一重のナイスガイだ。
というわけで、攻略地は、「さいたま新都心駅」周辺であろうということになった。銀座からさいたまへと、とても信じられないかもしれないが、コンセプトってこれほど影響力があるものなんです!と同時に、これほどまでに開業者本人が勘違いしていることって多いものなのです。
え?本当にそういうものなの?って直接浅野さんに聞いてごらん?きっと熱く語りだしますよ!こういうのは本人に聞くのが一番ですね!
浅野さん以外でも、bhのプロデュースではすべてのオーナーさんがこの段階を経験してますから。誰に聞いてもいいですわ!
9/14、この10日間、浅野さんは、すさまじいほどの執念で物件探しをしていたようだ。さいたま新都心も、たくさん歩いたりしてみたそうだが、なんだか違うらしいのだ、ピンと来ないらしいのだ。すばらしいことです。コンセプトが明確になり、自分自身でしっかり整理できてくると、もう自分で際どい商圏の違いすら見抜き始めるものなのだ。毎回のことながら、ちょっと不思議さ、さえ感じます。そんなこんなで、浅野さんはついにさいたま新都心の近郊駅であるが、与野駅近くに気になる物件を見つけ出してきたのだ。この日、早速、その場に呼ばれて、物件の設備状況をチェックすることとなった。この建物、一般住居スタイルではあるが、かなりロケーションがよく浅野さんが目指すテイスト、路線、ターゲットと照らし合わせても、かなり好物件であることがわかった。設備状況も、トイレ、エアコンがすでに設置されていてかなりラッキーだと思われた。
9/14、ただ、詳しく調べてゆくと、一般事務所貸しの仕様となっており、2基のエアコンはあるものの、美容室を運営するには実はのパワー不足であることがわかった。(多くの美容師さんに参考にしてもらいたいです)エアコンのパワー不足分のみ追加で1台設置することが必要と判断です。
9/14、またトイレに関しても、事務所仕様の最もエコノミーな衛生陶器であり、実際には新たに入れ替えることが前提だとジャッジした。とはいえ、エアコン、トイレが一切無いところに設置するより格段安価で済むわけであり、なによりも総合的な収支や予算計画とすり合わせて、行けそうな物件だと思えてきたのだ。
9/14、担当した不動産業者に確認したところ、外装の加工や化粧も許されるということで、総合評価としては、ほぼ合格ラインと判断しました。オーナー浅野さんの顔が笑顔になりました。かくして次週から一気にデザイン設計と共に、資金借入準備段階に突入する運びとなったわけです。
この間、2週間近くあったが、浅野さんは一気に借入申請のために週1日のお休みと、仕事が終わった後の夜を使って借入の申請資料(事業計画書)などまとめ上げていった。この間、何日bhのオフィスに来たことだろうか?連日にわたり来た日もあった。申請用の資料も、飯島の目の前で記入してリアルタイムのチェックを促されたものだ。やるとなると、超特急で走り出す浅野さん、ちょっとパニクルと一気に表情を変えピリピリしだすところもあった。いわゆるセッカチさんの一面が見え隠れしていた。しかし、開業するときにはそれくらい促進的、能動的でないとね。
9/26、店舗デザイナーは祐天寺のグロリアと掛け持ちである藤井真哉だ。浅野さんの電光石火の展開に、ちょうどグロリアで出入りしていた藤井に、もう1件よろしく!と棚から牡丹餅が落っこちた。まぁ、引き合わせたドルーチェ繋がりってこともあるしね。
9/26、デザイン設計プレゼン初日、早速平面プランは進んでいて、要望、希望を一旦は、すべて図面に盛り込むbhスタイルでガンガン進んでいた。こちらの設計は比較的順調に流れていた。大きな変更がかかったりどんでん返しがあるわけでもなく、スムーズな流れ。
タイリストだけあって、かなり詳細な箇所まで微妙な注文が出てくる。浅野さんと関わっていて思うことだが、経験、キャリアというのは本当にすごいことだ。継続は力なり。
9/26、この日浅野さんの奥様とお子様がbhの事務所に一緒に来ていたのだ。3人息子さんがいらして、上のお2人はもう高校生、中学生とのこと。ずいぶん間が空き末っ子君は1歳の七星クンです。
9/26、事前にお子様がいらっしゃるのを聞いていた辻井は、ベビーシッター犬を連れてきていた。おなじみディンである。ベビーシッターのつもりが七星クンにオモリされてたぞ!
9/26、終始ご機嫌だったので、打合せも滞ることなく、問題なく進められました。奥様と飯島も初顔合わせでした。開業までよろしくお願いします!はい、もちろんです!全力尽くして行きますよ~!
10/3、先週から始まったデザイン設計プレゼンだが、火曜日ごとに毎週浅野さんの打合せに宛てられた。こうした1週間の間に藤井は直接浅野さんと会い、今日のための事前の打合せをしている、1週おきのbhオフィスでのやり取りの時には2歩ぐらい前進していることが多い。これは時間が命の物件で功を奏する藤井の良さである。この日はすっかり写真を撮り忘れました。
10/10、そしてもう1週後、デザイン設計は3回目を迎えていてすでに実際の素材検討の段階に入っていた。
10/10、毎回、材料サンプルを沢山カバンに入れ、重い荷物を背負ってやってくる藤井。想像するに大変だろうね。実はbhでサンプル類を預かってあげても良いのだが、bhはそんなに広いところではありません。
10/10、放っておくとどんどん荷物が増え大変なことになってしまいます。キリが無いから、各々のデザイナーさんには荷物持ち帰り令を出しているのだ。
10/10、今回、こだわりのガラスブロック、浅野さんのお気に入りである。このガラスブロックをベースに色々素材の組み合わせパターンを出してみる。
10/10、これには一同、悩んでおりました。浅野さんも最初は真剣に見ているが、暗礁に乗り上げてくると・・・「あ~、良くわかんねぇなぁ~。藤井さんに任せるよ!」となる。
10/10、続いて販促アイテムの打合せである。開業までの期間、通常の仕事をこなしながら、週1日の休みを使ってこうして打ち合わせていく。疲れないわけが無い。
10/10、今回、こだわりのガラスブロック、浅野さんのお気に入りである。このガラスブロックをベースに色々素材の組み合わせパターンを出してみる。
10/10、ただ、疲れの種類が普段と違うのだ。とにかく脳みそが疲れるはず。神経が疲れるはず。借入、店舗設計、販促アイテム、備品買付品のリストアップ(まだ買わな)、ディーラーとの打合せ・・・・やってもやっても追いつかない・・・
10/10、そんなオーバーワーク気分にさせられるのが美容室開業の辛いところでもある。大事なことは、最初から多大なエネルギーと精神力が必要だということを肝に銘じておくことなのである。そう、開業には執念が必要なんです。bhでは貫通力と呼んでいます。
10/16は、浅野さん技術講習の為、次の日の17日に打合せを伸ばした。そこで藤井は現場で業者と事前打合せをした。写真撮っておりません。
10/17、この日は販促アイテムの方に重点を置き打合せしました~でもまた写真忘れました~。浅野さんもやや疲れ気味かな?ちょっとイライラが目立ってきていたように思う。でも当たり前です。それだけのことを、すごい集中力でこなしているんだから。
このあたりから、浅野さんこんな台詞をよく言うようになりました。「飯島さんと出会ってまだ半年もたっていないんですね~?うそみたいだなぁ~。もう1年以上関わっている気がしますよ・・・bhさんって本当に濃い~ですよね~」※はい!過去のオーナーさん、ほぼ、異口同音でした。
10/24、また1週経過たこの日も前半店舗設計の打合せ、後半は販促の打合せである。店舗デザイン設計と反して、セプテンスの場合は販促アイテムが大変でした。ヘアリセッターという特殊技術を持つ浅野さんにとって、技術的な解説を含め、伝えたいことがあまりにも多く、情報が満載すぎるのだ。
10/24、これまたベテランゆえのエッセンスの量によるところなのだが、実は広告に関しては、情報の載せすぎは明暗を分けることもあり、慎重なバランス配分が問われるのだ。伝えたいことが多いのは悪いことではない。しかし、とにかく上手に簡略化して伝えることこそ大事なテクなのである。
10/24、この日珍客あり、ドルーチェの松田さんが陣中見舞いに駆けつけてくれた。実は浅野さんがbhを知るきっかけとなったのはmixi上で名古屋セッションの岩田さんと、この松田さんの推薦なくしてはありえなかったらしいのだ。陰で岩田、松田がbhに相談に行ってみたら?と投げ掛けてくれていたらしいのだ。ありがたい!卒業生たちに助けられているような心境です。
10/24、ほぼ大宮のドルーチェさんとご近所状態になる浅野さんのセプテンスだが、松田さんからレアな埼玉の事情、集客戦略のアドバイスがあった。すでに3年弱の経験から、広告をはじめとする微妙なサジ加減を惜しげもなく伝える松田さんがいた。
10/24、そんなに教えちゃっていいの?飯島からはそう見えましたが、松田さんという男は、そんなの関係ネイ!ってなもんで、とにかくご近所仲良くやろうよ~っていうスタイルなのだ。そんな気質だからそこ、お客さんが慕って松田さんに付くんだろうね。
10/24、この2人の話が始まると、ほとんど専門的な話が展開する、技術的な話から、広告戦略の話から、薬剤の話から・・・でも松田さん、やっぱり浅野さんの技・ヘアリセッターに興味があるらしく、浅野さん!今度教えて!って言っていた。
10/24、せっかくなんで、記念撮影しました。松田さん、芸が変わらない。ピース!
本当ならこの10/24が、寒い打合せこと減額調整の予定であった。しかし、銀行に申請した借入の結果が思いのほか遅れていて、減額調整の延期を余儀なくされたのである。何度もお伝えしてきたつもりだが、借入の内定が降りない限り、いくら自己資金が沢山あろうと、実際に計画に使える費用は不完全なわけである。今日この段階であっても、実は浅野さん、不動産の初期投資額約150万円(当初は200万だったところを交渉して減額した)すらまだ払っていないし、何の買い物もしていないのだ。内定が降りるまではとにかくギリギリまでお金を財布から出さないというのも身を守る為の重要なノウハウなのです。
さてさて、この後、浅野さん、若干体調を崩し、次の週は皆で集まっての打合せはお休みとした。もちろん、浅野さんなしでも藤井、辻井からメールを駆使しての打合せで前進していた。確かにアグレッシブさ、行動力も、物事を達成させるには必要なのだが、ともすれば突っ走り気味の浅野には、こんなアドバイスをしました。これから経営者となっていくわけだし、とにかく長丁場なレースなのである。ペース配分、体調管理の重要性について、ちょくちょく飯島から伝えられました。当然浅野さんも頭では理解していることだったが、体がそうういうリズム感を許してくれない。長年培ってきた体にしみこんだサロンワークの日々も経営的観点でみれば“諸刃の剣”となるのだ。
浅野さんとは同年代(1歳違い)ということもあり、本当にぶっちゃけ沢山の話をした気がします。
結局、借入の内定待ちで延期を重ねてきたけれど、11月5日、晴れて借入も決定し、やっと寒い打合せを行ったのだ(写真なしです)
始まって早々、「うわさには聞いていたけど、全然面白くないっすよ、飯島さん、なんですか?これ?」ちょっと怒ってる?始まって15分も経っていない段階での浅野さんの発言である。
「まぁ、まぁ、浅野さん、まだまだ、先長いですから、始まったばっかりじゃないですかぁ、あわてず行きましょうよ」
結果、ラストには、意外にテンションが高くご機嫌な浅野さんがいたりします。テキパキした浅野さんの性格も手伝ってか、減額調整自体は、なんと過去最短の時間で目標金額に到達したのだ。その間、まさに浅野さんのテンションは上がったり下がったり、それはそれは、めまぐるしいものであった。
直情型?直下型? ジェットコースターマン?いわゆる、セッカチ?な~んて飯島は浅野さんにジョークを飛ばすことが増えてきましたね。すると意外に嬉しそうに笑顔を見せる浅野さんなのだ。
11/12、引き続き販促アイテムのほうが難航していた。浅野さん自身、程よくシェイプアップをすべきなのは理解できていたが、なかなかコンパクトにダイエットすることが出来ない。
11/12、この気持ちよく分かります。いわゆる職人気質を持つ美容師さんはまさに技術屋さんである。同じく店舗デザイナー出身の飯島も同じでした。うちのHP見ればわかるでしょ?情報量が多い!あれでも一番最初に比べれば1/10くらい減らして来たのだ。この期間は5年ほどかかったかな?
11/12、技術に自信がある人種は伝えても、伝えても、伝え足りない人達。永遠にエッセンスを語り続けられる人達なのだ。おそらく最も難しい苦手な分野が要点を絞って簡単に、シンプルに、コンパクトに伝えるということなのだろう。
11/12、とはいえ、飯島のアドバイスと辻井の努力もあり、なによりも浅野さんの決断ありきで、ようやく理想的なリーフレットの様相が見え始めていた。
2011/05/27






